2021.09.24

【セミナー開催レポート】2021年9月8日(水)開催 コロナに打ち勝つ営業戦略

Meeit.bizが送る日本人向けオンラインセミナー。タイでは、長引くCOVID-19の影響​​とそれに伴う政府規制がようやく緩和されてきて、明るい兆しが見えてきてはいるものの、まだまだ多くの企業が苦戦を強いられていると思います。今回は、リブ・コンサルティング・タイランドの代表、香月 義嗣氏をお招きし、「営業戦略」にテーマを絞って、営業組織の改善事例や改善のための実践的なヒントをお話いただきました。成果にコミットしてきた香月氏のお話をぜひこれからの営業戦略や組織作りにお役立てください。

|コロナ禍でも成果を出せる営業組織の特徴

コロナ禍でも成果を出せる営業組織にはどのような共通点があるのでしょうか。まず初めにコロナ禍における営業活動の問題点について、香月氏がこれまで接してきた多くの企業の声をまとめると、さまざまな課題はあるものの「営業活動の実態が見えにくい」という点がハードルになっていると指摘します。そして、COVID-19が引き起こしたタイにおける「4Dトレンド」も企業の営業活動に大きな影響を与えています。4Dとは、Distance(ソーシャルディスタンスを考慮する必要があり、初期接触の難易度が上がった)、Downsizing(コスト削減・キャッシュフローの見直しで顧客の購買活動の変化)、Domestic(海外渡航が困難になり、観光業の業績悪化や周辺国の顧客訪問が困難)、Digitalization(デジタル活用度が一気に向上)の4つを指しています。

これらを踏まえて、成果を出している営業組織には次のような4つの特徴があると香月氏は続けます。

コロナ禍でも成果を出せる営業組織の特徴

1つ目として、「顧客の”KBFの変化”を理解し、変化に適応している​​」組織。KBFとは、「Key Buying Factor(購買決定要因)」の略、つまり、顧客は何を重要視してそのモノを買うのかという要因のこと。KBFは、商品・価格・サービスの中でさらに細分化してランク付けし、そこから自社がどの程度KBFを満たしているかをスコア化して分析し、何を強化していくか、どこで勝ちにいくかなどの戦略を考える指標になります。
では、このKBFは、COVID-19によってどのように変化してきたのでしょうか。COVID-19のパンデミック前までは品質や価格よりも顧客との関係性が重要視されてきましたが、現在は確実にベネフィットに繋がる品質や価格が重要視されるようになってきました。このKBFの変化に気付いて対応している営業組織の方が、目標達成や利益享受している傾向が高くなっています。逆にこのKBFが自社で理解できていない場合は、顧客にヒアリングしたり、アンケートをとるなどして「見える化」していく必要があるでしょう。

2つ目として、「提案営業の質を組織的に高めている」かどうか。顧客がKBFとして、よりベネフィットを求めている場合、モノ売り営業よりも提案営業の方が成果が出やすい傾向にあります。製品を紹介するモノ売り営業に比べ、提案営業は初期段階で顧客の情報収集と仮説構築をする必要があり、その仮説を元に提案を行い、顧客からリアクションをもらいます。この時、もし仮説が違っていても新たな課題が見えてくるので、その課題の解決策を提案することができるようになります。ここで重要となるのは、顧客からもらったフィードバックを何度も何度も修正しながらサイクルを回していくこと。修正サイクルをどれだけ回したかが提案の質に大きな影響を与え、ひいては顧客満足度の向上にも繋がります。

コロナ禍でも成果を出せる営業組織の特徴

3つ目は、「オンラインを逆手にとって、上司を有効活用している」組織。COVID-19のパンデミック前は、上司は営業担当と一緒に顧客訪問をすることは移動工数がかかるなど物理的にハードルが高く、上司の役割は営業の進捗管理が中心になりがちでした。一方、コロナ禍になってからは、オンラインを逆手にとって、上司も多くの商談に同席できるようになり、セールスサポートができるようになりました。実際に、危機感を持っているタイ企業の中には、社長が自らトップセールスとなって動くようになった例もあります。組織として一番の武器となる社長や担当部長を営業担当が有効活用している企業は成果を出しています。その結果、上司に求められる能力は、これまでの「営業組織を管理する力」から「トップセールスとしての営業力」に変化しています。

4つ目は、「ターゲッティングとパートナーシップを強化している」組織。通常だと、新規売上獲得のためにアプローチ数を増やしたりアポイント数を増やすのが一般的ですが、COVID-19の影響によって市場環境が変わった今、ニーズに合わないアプローチや提案を増やすことで潜在顧客からはむしろ悪印象になったり、さらに成果に繋がらない業務が増えて営業組織も疲弊していきます。一方で成功している取り組みとしては、成約率を高めることや平均単価を高めることを主体的に行っていて、先ほど挙げた提案営業に加えて、ターゲッティングの精度をしっかり高めている特徴が見られます。イメージとしては、ストライクゾーンが狭まっている中で、ボール球を手当たり次第に投げるのではなく、狭いストライクゾーンに合いそうなボールは何かしっかり分析して、精度を高めてから豪速球を投げにいくという動きをしています。
ターゲッティングが決まった後の問題点としては、初回面談を進めにくくなった点が挙げられますが、そこに対しても行動量を増やすのではなくパートナーシップを通して紹介営業を進めているのも1つのポイントです。つまり自社だけでアプローチできないところはパートナーシップを組んで強化していくという動きがコロナ禍での成功要因となってきています。

香月氏は、上記を踏まえて、営業組織を強化するためには、3つの方向性(提案力の強化、プロデュース力の強化、脱・属人化への仕組み作り)を提案。ただし、これら全てに取り組むのではなく、自社の状況を考慮し、最も優先順位の高いものに絞って取り組むことが成果を出すポイントであると付け加えました。

|製造業の営業力強化の事例

ここからは、香月氏が実際に手がけた営業力強化の事例についての紹介となります。今回は、視聴者属性に合わせて「BtoBで直販セールスにおける新規顧客開拓」にフォーカスしてお話いただきました。

まず、ターゲット企業に関する「仮説立案シート」の作り方や提案営業をしっかり進めるための「案件管理シート」の導入、重要顧客に関する情報や履歴を資料にまとめる「アカウントプランの作成」などの「提案力の強化」の成功事例についてご紹介いただいた後、「冒頭でも述べたように営業活動は目に見えにくいものだからこそ「見える化」することで改善要素が見えくる」と香月氏は強調しました。

続いては、提案のインパクト(業績への影響力)や難易度を見極め、どこまでの範囲(上司や自社の他部門担当者、自社の経営陣、他社、自治体・政府機関など)を巻き込むかを適切に見積もる「プロデュース力の強化」についてです。提案のインパクトや難易度を理解していくことで、足りないリソースや巻き込む範囲を決定していきます。こうした作業をすることで、プロデュース力の強化に繋がり、ここで自社だけで難しい場合は他社とのパートナーシップを組むことにも繋がっていきます。

製造業の営業力強化の事例

最後は「脱・属人化への仕組み作り」。一般的に日本人が考える理想的な水準はあるものの、個々のスタッフの能力にばらつきがあります。特にタイでは離職率が高く教育が難しいため、システム(営業の仕組み)で底上げをすることで、誰がやってもある程度の成果が残せるようにすることが重要となります。仕組み作りで営業力を強化した例として、空欄を埋めていくだけで誰がやってもきちんとヒアリングできるシート、顧客とのリレーションシップの段階と次に進むためのアクションプランを可視化したツール、ヒアリング項目をしっかり埋めていくことで提案すべきものが自動的にきまる提案力を高めるためのツールなどを紹介いただきました。ここでも「営業プロセスを見える化して、属人化を脱却するためのツールを作成することが有効である」と香月氏は付け加えました。

|ポストコロナに備えて今できること

ポストコロナに備えて今できることについて、マーケティングの視点も含め香月氏なりの見解を次のように解説いただきました。香月氏が所属するリブ・コンサルティングの分析結果から持続的に成長している企業の特徴は、営業の注力領域の「新規パートナーシップの促進」と「新たな顧客ニーズの発見」、製品企画の注力領域の「新技術の導入」と「既存技術の組み合わせ」の4つのキーワードが見えてきます。営業と製品企画のそれぞれのキーワードをマトリクス化して組み合わせた4パターン(例:新規パートナーシップ×新技術の導入)の中で、成長エンジンとなる軸を選択し、今から取り組んでいくこと。そうした準備こそが、ポストコロナとなった時の「成長曲線の差」に表れるのではないかと締めくくりました。

ポストコロナに備えて今できること

|オンラインで信頼を得るためのヒント

​​本セミナー最後のQ&Aコーナーでは、視聴者からオンラインでの営業活動に関する質問が多く寄せられました。ある視聴者からは、オンラインでの信頼を築く方法についての次のような質問がありました。「オンラインでも信頼を醸成するためのポイントがあればご教示ください。」この質問に対して、香月氏は、「オンラインであってもまずは様々な場面で雑談をすること。オンラインでは一方的にプレゼンをしてしまいがちだが、意識的に会話のキャッチボールの数を増やすこと。複数人が参加するオンライン面談の場合は、その前後にキーパーソンには個別に連絡をとって対話を深めること。・・・などが有効です。」と回答した。その上で、初対面の相手には、面談そのもののベネフィットをきちんと伝えることも有効な手立てであると付け加えました。

オンラインで信頼を得るためのヒント

本セミナーの最後に香月氏は視聴者に向けて次のように締めくくりました。
「現状を傍観してコロナ禍が終わるのを待つのか、先を見越して将来に投資することで未来を作りにいくのかは皆様次第です。本日のセミナーが、皆様にとって未来を作りにいくためのきっかけになれば嬉しく思います。私自身も日系企業がタイを含めた東南アジアでもっとプレゼンスが高まって欲しいと切に願っています。そのためにできることがあれば、何でも貢献していきたいので共に頑張りましょう。」

営業活動のような見えないものこそ見える化する。そうすることで新たな課題の発見や改善ポイントが見えてくるのだと今回の香月氏のお話で改めて気付かされました。また、今回は営業戦略をテーマにお話いただきましたが、自社の組織内を振り返った時、営業に限らず応用できる組織改革のポイントがあったのではないでしょうか。ぜひ、明日からの会社経営や組織作りに役立てていただきたいと思います。

Meeit.bizでは、これからも皆さまのご意見やご希望を踏まえて、さらに充実した内容のウェビナーを企画してまいります。今後もMeeit.bizの取り組みにぜひご期待ください。​​

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